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第20号

宮城県に要望書を提出

 11月24日当会は村井宮城県知事に貞山運河に関する要望書を提出しました。その全文を掲載します。

「貞山運河の浚渫(しゅんせつ)を願う要望書」 

謹啓 日ごろから河川行政に尽くされていることに心から敬意を表します。

 昨年4月に設立した一般社団法人「貞山運河ネット」は民間企業団体の立場から、宮城県の歴史遺産である貞山運河について知ってもらおうと市民向けのシンポジウムや子どもたちの自然観察や舟遊び体験、県内にある他のみやぎの運河群団体との連携を進めているところです。この地域は東日本大震災によって大きな被害を受けており、水路のにぎわい再生を図ることは被災地の復興支援になるとの認識に立って活動しています。

 昨年12月、当ネットは宮城県に対し、仙台市内を流れる貞山運河・新堀について、水深を深くする環境整備など3点を申し入れました。この区間(井土浜~荒浜~新浜)では震災の後、いまだに本格的な浚渫工事が行われておらず、がれきや木材などが埋まったままと推測されます。また、北へ向かうほど水質の汚れはひどく、富栄養化による藻の異常繁殖と土砂の流入もみられます。船の航行を柱とする親水のイベントを開催したり、県内外から観光客を呼び込んだりするにも大きな支障になっています。

 ありがたいことに、県におかれましては今年、水質調査を実施してくれています。「開かずの水門」と言われた七北田川合流地点の水門を一時開放するなどして、流量の変化と汚れ、土砂の堆積具合について調査中です。仙台市も8月から独自に「水中地形測量調査」を行い、取りまとめに入っています。

 いずれも12月には調査結果が報告されると聞いています。その結果がどうなるかはさておき、2024年度当初予算案の編成時期に当たり、わたしたちは今回も周辺環境の整備を進めていただきたく、要望する次第です。具体的には水深を深く掘り下げる浚渫工事をどこか一部区域においてでも着手してほしいと望んでいます。水質調査までしてくださった流れをここで切らさず、継続することが大切と考えています。また、護岸に船を着けられる桟橋、船着き場の整備について地元自治体の仙台市などと一緒に取り組んでいただきたいと存じます。

 名取川に近い仙台市の藤塚地区では、国土交通省のかわまちづくり事業がスタートしました。民間企業や仙台市と連携し、親水護岸や歴史スポット、自然公園、オープンカフェなどが3年後を目標に建設されます。そうなれば対岸の名取市閖上との渡し舟の運航が復活し、両岸セットでインバウンド観光を受け入れられる名所になると期待されます。その延長線として藤塚、井土浜から北側の親水環境を整えておくことはタイミングとしても時宜にかなっています。毎年少しずつでも着実に進ちょくしていただくことを切望します。洪水災害対応など県財政も厳しいかと察しますが、何卒善処をお願い申し上げます。                   謹白                       

 1  仙台市内の新堀では震災後、がれきなどが埋まり、水深が浅くなっています。舟運の復活や親水イベントに支障を来しているので、水底をさらう浚渫工事を早期にお願いいたします。

 2  地元自治体と調整し、周遊船の乗り入れと護岸での利用客の乗降に必要な「船着き場」を整備していただきたい。

3 農業排水や水門の関係などで汚れがひどくなっています。水質の改善策を引き続き要望いたします。                                         

            以上

宮城県土木部舛谷副部長に要望書を提出する櫻井会長

日本一長いみやぎの運河群パネル展を開催

 宮城県では12月11日(月)~15日(金)県庁1階ロビーでみやぎの運河群沿川で活動している団体を紹介するパネル展示を行いました。担当者は運河沿川でさまざまな活動している団体のことを県民に知っていただきたいと想いを語っていました。

貞山運河ネットの活動状況もコンパクトにしっかり説明されていました。

第2回 歴史セミナー開催のお知らせ

 好評だった23年1月の歴史セミナー。今回は次の要領で行われます。

日時2024年2月23日(祝金)13時開場
13時30分~16時30分
場所名取市文化会館・中ホール
名取市増田字柳田520番地
参加費500円

 貞山運河は全長31.5キロに及ぶ日本一長い運河です。

 「貞山堀」の呼び名で親しまれている水路はどのような目的で造られ、どのような恵みをもたらしたのでしょうか。

 約400年前、伊達政宗の命で築かれてから令和の今日まで、いまに伝えるメッセージを読み解きます。

話題提供

大和田雅人氏 当会副会長、フリージャーナリスト
貞山運河の現状と舟運の復活と再生への期待、水路のいまとこれからのまちづくりを紹介。

講演

「仙台城下建設を支えた閖上湊」
菅野正道氏 郷土史家、元仙台市史編さん室長

「江戸時代の閖上湊と東廻り海運」
井上拓巳氏 さいたま市教育委員会事務局文化財保護課学芸員

申し込みはホームページ、メール、FAXで。
多くの方にお声がけをお願い致します。
チラシは事務局にあります。お申し出ください。

発行 (一社)貞山運河ネット 事務局
仙台市青葉区一番町2-5-22 
GC青葉通りビル ㈱プランニングオフィス社内
HP:https://teizanunga.net/
MAIL:teizanunga@p-office.co.jp
 ☎ 022-262-2322
 FAX022-266-9418
法人会員目標 200社(現在37社)
個人会員目標 150名(現在52名)

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